| ■ 南小樽病院理念 その3
いままで、2つの理念をご説明いたしました。一つ目の理念は患者様に対すること、二つ目は病院の外部、つまり地域社会に対する姿勢を示しています。これからご紹介する3つ目の理念は、職員に対することです。
“明るく、楽しく、きびしい職場”という文から、あるスポーツ団体を思い浮かべられた方もいるかと思います。じつは、私の尊敬する故ジャイアント馬場社長の率いていた、全日本プロレスのモットーがこの原型にあります。“きびしい職場”を“激しいプロレス”に変えれば、故馬場社長がいつも語っていたものになります。プロレスも医療現場もプロに徹することでは同じです。
“明るく、楽しい”ですが、職員からこのような気持ちや雰囲気が発せられないと、療養生活を送られる患者様のスピリットが上向きになりえません。職員にとって労働は大変なものかもしれませんが、ユニフォームに着替えた瞬間からプロ意識を身にまとい、良いオーラを発するようにしなければなりません。そして、患者様の笑顔が自分の喜びとならねばなりません。病院の設計段階から、明るく癒される空間作りを目指して来ました。これに、職員の明るさが加わって、患者様に良質の療養生活をご提供させていただきたいと思っています。
“きびしい職場”という言葉は、理念として不自然かもしれません。しかし、高齢者医療を実践することは、もともときびしいものです。スタッフの採用時にも、いわゆる老人病院だから楽な仕事ができると誤解されてくる方を見うけます。身体に障害を持っていたり、また重度の痴呆だったりする患者様方の、日常生活の支援をしてゆくことは決して楽であるはずがないのです。さらに、このような状態が長期化してゆくことが多いのです。きびしい気持ちでこの仕事に望まなければなりませんし、理想に燃えているだけでは勤まりません。
理念に添わない、また添うことのできない職員はしたがって長続きしません。幸いなことに平成8年の開院のころからの職員が全体の20%弱、活躍しています。また、随時、当院の姿勢に賛同してくれる職員も入職し、現在135名ほどの職員数になっています。これは入院患者数を超えています。逆にいうと、これぐらいのスタッフでないと高齢者医療は推進できないということなのです。
それでも、私は患者様に接する看護師やケア・ワーカーの数は不十分だと思っています。介護報酬の改定により、介護職員の定数が引き下げられましたが、あの定員で良質のケアを提供することは無理だと思います。理想ですが、患者様対介護職員数は2:1ぐらいあってもしかるべきだと思います。
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